ナイアシンアミドはどんな成分?

ナイアシンアミド(Niacinamide、化学式C6H6N2O、分子量122.12)は、水溶性ビタミンであるビタミンB3の一つで、ナイアシン(Niacin)のアミド型です。別名ニコチン酸アミド(Nicotinic acid amide、医薬部外品の表示)とも呼ばれます。

常温では針状結晶で、水やエタノールに簡単に溶けます。

ナイアシンは体内で同じ作用をもつニコチン酸とニコチン酸アミド(ナイアシンアミド)の総称です。ナイアシンは鶏胸肉、カツオ、豚レバー、チーズなどの食品に多く含まれます。

また、一般的にナイアシンはニコチン酸を指しますが、美容効果があるとされているのは「ナイアシンアミド」の方です。

ナイアシンアミドの美容効果

セラミド合成促進

細胞の一番外側である角質細胞同士をセメントのように囲み、角層の保湿を担う細胞間脂質構成成分であるセラミドは、加齢やターンオーバーや生活習慣の乱れによって減少していきます。ナイアシンアミドは、減少したセラミドや脂肪酸およびコレステロールの合成を促進する働きがあると言われています。


シワ改善効果

シワの大きな原因といわれているのが、加齢によるコラーゲンやエラスチンなどの減少です。ナイアシンアミドには、真皮線維芽細胞に働きかけてコラーゲンの合成を促す働きが認められています。

2017年(推定)にコーセーの申請により医薬部外品表示名「ナイアシンアミド」が医薬部外品シワ改善有効成分として厚生労働省に承認されました。「リンクルナイアシン」と呼ばれる成分です1)

また、2017年にP&Gプレステージ合同会社の申請により医薬部外品表示名「ニコチン酸アミド」が医薬部外品シワ改善有効成分として厚生労働省に承認されました。


美白効果

メラニンは、メラノサイト内のメラノソームと呼ばれる細胞小器官内で合成されます。通常は成熟されたメラノソームは隣の細胞のケラチノサイト(角化細胞)に受け渡され最終的に分解されます。分解されないメラノソームはシミの原因になります。ナイアシンアミドは、ケラチノサイトへのメラニンの受け渡しを抑制し、メラノソームの分解を促進する働きがあるとされています。

ナイアシンアミドは医薬部外品美白成分

2007年にP&Gプレステージ合同会社の申請により医薬部外品表示名「ニコチン酸アミド」が美白有効成分として厚生労働省から承認されました。

詳しい解説はこちらの記事に詳しく書いてありますのでご参考にしてみてください。

ナイアシンアミド配合商品おすすめ4選

The Ordinary ジオーディナリー ナイアシンアミド10% + 亜鉛1% (60ml) Niacinamide 10% + Zinc 1%

※1000円台で購入できる場合もあります

特徴:成分がシンプル ナイアシンアミド10%配合

成分:水、ナイアシンアミド、ペンチレングリコール、亜鉛PCA、タマリンダスインディカシードガム、キサンタンガム、イソセテス-20、エトキシジグリコール、フェノキシエタノール、クロルフェネシン


【公式】N10 セラム / 美容液 / ナイアシンアミド配合 / 高濃度 / 30mL / 敏感肌用 / エイジングケア / くすみ / 乾燥 / 透明感 / ラロッシュポゼ 正規品

※ナイアシンアミド10% 30ml/6050円

特徴:敏感肌にも使える(個人差あり)ナイアシンアミド10%配合

成分:水、ナイアシンアミド、グリセリン、変性アルコール、ヒドロキシエチルピペラジンエタンスルホン酸、ジメチコン、ラウロイルサルコシンイソプロピル、オクチルドデカノール、セスキステアリン酸PEG-20メチルグルコース、エチルヘキサン酸セテアリル、ポロキサマー338、フェニルエチルレゾルシノール、酸化チタン、香料、フェノキシエタノール、ポリアクリロイルジメチルタウリンアンモニウム、キサンタンガム、EDTA-2Na、(アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、マイカ、ヒアルロン酸Na、ミリスチン酸イソプロピル、イソヘキサデカン、クエン酸、ジメチコノール、ポリソルベート80、オレイン酸ソルビタン、酸化スズ、トコフェロール


プラスキレイ プラスモイストNA15 30mL ビタミンC誘導体 ヒアルロン酸も配合 ビタミンB3【 ナイアシンアミド美容液 正規品 皮膚専門家 開発監修】30ml/2970円

特徴:ナイアシンアミド15%配合 ビタミンC誘導体配合

成分:水、ナイアシンアミド、BG、ペンチレングリコール、ジグリセリン、グリセリン、3-O-エチルアスコルビン酸、ヒアルロン酸Na、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、トリエチルヘキサノイン、ジフェニルジメチコン、キサンタンガム、クエン酸Na、クエン酸、ミリスチン酸ポリグリセリル-10、トコフェロール


クオリティファースト ダーマレーザー ウルセラC(30ml)【クオリティファースト】※ナイアシンアミド25% 30ml/2200円

特徴:国内最高濃度ナイアシンアミド25%配合 4種類のビタミンC誘導体配合

成分:ガラクトミセス培養液、ナイアシンアミド、BG、ジグリセリン、アスコルビルグルコシド、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na、リン酸アスコルビルMg、セラミドNP、ベタイン、ツボクサエキス、オウゴン根エキス、イタドリ根エキス、カンゾウ根エキス、チャ葉エキス、ローズマリー葉エキス、カミツレ花エキス、キハダ樹皮エキス、トリプロピレングリコール、水添レシチン、フィトステロールズ、PEG-60水添ヒマシ油、エチルヘキシルグリセリン、1、2-ヘキサンジオール、水酸化K、クエン酸、クエン酸Na、エチドロン酸、水、ピロ亜硫酸Na、ラベンダー油、レモン果皮油、ライム油、レモングラス油、エンピツビャクシン油、ローズマリー葉油

ナイアシンアミド高配合商品の台頭

最近、市販品でナイアシンアミド10%とか25%とか高配合!と謳っている商品をよく見かけるようになりました。25%も入れて大丈夫なのか!?と思い、色々調べたところ、厚生労働省から承認を受けた医薬部外品(P&G社製商品)のナイアシンアミド(ニコチン酸アミド)の配合量(非公開)は0.1-5%2)のレンジに入っているということことがわかりました。ということは、5%でも十分な効果があるはず。それでもプチプラ商品がナイアシンアミドを高濃度で配合できるのは、

ズバリ、ナイアシンアミドの原料が安いからです。

昔は高価だったナイアシンアミドは、今、個人向けでもナイアシンアミドパウダー(100%)は約2000円/50g、1gあたり40円くらいで販売されています(※マンディムーンさんでの販売価格 2023年8月調べ)。個人でもこの安さですから業務用ならもっと安いと思います。

例えばナイアシンアミド25%を20ml(20g)の美容液を作るのにナイアシンアミドの必要量は5gでコストは2000/50*5=200円です。かなり高配合なのに安くないですか!?

もちろんコスト面だけではありません。シミシワ両方アプローチできる二刀流成分ナイアシンアミドは安全性・安定性が高く組み合わせNG成分が少ないので化粧品メーカーとしては取り入れやすい成分だと思います。ただ、刺激性なども考慮する必要があるので、高配合であれば良いというものでもないと個人的に思います。

実際、ナイアシンアミドの医薬部外品の配合量について調べたところ、定かではありませんが、薬用化粧品の有効成分としてのナイアシンアミド(ニコチン酸アミド)の配合分量は0.1-3.5%(クリームの場合)3) や0.1-5%2)という情報があります。この情報が正しければ、5%あれば十分に効果が見込めるはずです。

しかし、実際は、、ナイアシンアミドの効果そのものは緩やかで劇的なシワ改善効果や美白効果については過度な期待は禁物というのが正直な感想です。個人的には、ナイアシンアミドは低刺激でチリツモ成分ポジションです。

ということで、ナイアシンアミドのパウダーを購入し、化粧水やクリームをDIYすることにしました。

DIY (1) ナイアシンアミド配合化粧水

といっても、ナイアシンアミドと相性の良いトラネキサム酸配合化粧水をいくつかピックアップし、ナイアシンパウダーをプラスしただけのズボラDIYです。

なぜトラネキサム酸?

トラネキサム酸はナイアシンアミドと相性が良いからです。

まず、トラネキサム酸の働きとしては、紫外線等に暴露されたケラチノサイト(角化細胞)から分泌されるプラスミンやプロスタグランジンなどのメラノサイト活性化因子を抑制することでメラノサイトでのメラニン生成を抑制することが報告されています。

つまり、トラネキサム酸の働きは、紫外線に当たった時にケラチノサイトから発動されるメラニンを作れ!シグナルを抑制することです。

一方、ナイアシンアミドは作ってしまったメラニン(メラノソーム)のケラチノサイトへの受け渡しを抑制し、メラノソームの分解を促進する働きがあるとされています。


ということは、この二つの組み合わせにより、

・トラネキサム酸は初期の段階でメラニン生成を抑制する

・ナイアシンアミドは作ってしまったメラニンを受け渡さない


などの相乗効果が期待できると考えました。

しかし、トラネキサム酸がお高い..

トラネキサム酸パウダーの原料は楽天などで簡単に手に入りますが、1gあたり約1000円!!と高価なので断念しました。。 例えば180mlの化粧水に2%のトラネキサム酸を入れようとすると約3.6gのトラネキサム酸が必要でトラネキサム酸の材料費だけで3600円もかかってしまいます。

※トラネキサム酸粉末はこちらで購入できます。

プチプラのトラネキサム酸配合化粧水をドラストアで発見

トラネキサム酸さんが高い。。そこで、ドラッグストアでトラネキサム酸配合のプチプラ薬用化粧水をいくつかピックアップし、手持ちのThe Ordinary のナイアシンパウダー100% をプラスするだけDIYに切り替えました。

※The Ordinary のナイアシンパウダーは個人輸入になりますがこちらで購入できます。国内流通品(マンディムーン)はこちら

プチプラのトラネキサム酸配合化粧水を3つ

ベース化粧水の選定基準はざっくりとこんな感じです。

  • 医薬部外品
  • トラネキサム酸配合
  • 配合成分の種類が多すぎない
  • ナイアシンアミドと相性悪い成分が配合されていない
  • 1000円くらい
  • とろみが少ない処方
  • 香料ががキツすぎない、できれば無香料。

そして、選んだものがこの3つです。

※一番右はThe Ordinary のナイアシンパウダー100%です。

左から順に、

A ちふれ 美白化粧水 TA 容量:180mL1,100円(税込) 詰替用 150mL770円(税込)

特徴:トラネキサム酸2%配合・無香料・無着色・アルコールフリー

全成分:<有効成分>トラネキサム酸 2.00% <その他の成分>保湿成分:BG 6.00%, 濃グリセリン 6.00%, トレハロース 0.03%, ヒアルロン酸ナトリウム(2) 0.02% pH調整剤:クエン酸Na 適量, クエン酸 適量 防腐剤:メチルパラベン 適量 可溶化剤:ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.10% キレート剤:EDTA-2Na 0.01% 基剤:精製水 ※全量を100%とする


B 小林製薬 メンズケシミン化粧水 160mL1,320円(税込) 詰替用 140mL1100円(税込)

特徴:グリチルリチン酸2K配合・シンプルな処方

<有効成分>トラネキサム酸、グリチルリチン酸2K<その他の成分>精製水、濃グリセリン、DPG、BG、エタノール、POE・POPデシルテトラデシルエーテル、パラベン、クエン酸、クエン酸Na、オウゴンエキス、ウコンエキス、香料


C ロート製薬 肌ラボ 白潤 薬用美白化粧水 170mLオープン価格 詰替用 170mLオープン価格 ※詰替は600円くらいで購入しました

特徴:保湿成分たっぷり・無香料・無着色・エタノールフリー・パラベンフリー

<有効成分>トラネキサム酸<その他の成分>加水分解ヒアルロン酸*(ナノ化ヒアルロン酸)、ヒアルロン酸Na-2*、ビタミンCリン酸Mg(ビタミンC誘導体)、ビタミンE、ハトムギ発酵液、ヨクイニンエキス(ハトムギエキス)、BG、濃グリセリン、ペンチレングリコール、PEG(30)、PEG-8、ソルビット液、エデト酸塩、無水クエン酸、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、VP・スチレン共重合体エマルション、ラウリン酸POE(20)ソルビタン、フェノキシエタノール
*2種のヒアルロン酸


上記の商品はアマゾンや@コスメなどで見るとどちらも評価が高く、もちろんそのまま使ってもいい商品だと思います。むしろそのまま使ってもらうためにメーカー各社が設計された商品たちです。ですが、自己責任でナイアシンアミドをプラスすることにしました。

作り方

ナイアシンアミドは水系に溶けやすいので、濃度5%になるようにナイアシンアミドパウダーを測り、それを化粧水の入った容器に入れて軽く振るだけです。

※今回使った片手でプッシュできるディスペンサーはおしゃれでコンセプトは良いのですが、粘性のないものは飛び散りやすいのであまり化粧水にはおすすめできません。。洗剤なら大丈夫そうですが。

使った感想

美白・抗シワ効果:う〜ん、よく分かりません…

上記3種類の化粧水をベースにナイアシンアミドをプラスして、ローテーションで使っていてまだ2週間ですが、今のところ劇的な効果は感じられませんが、どちらも同じくらい好感触です。刺激なども今のところないので使いやすいと思います。刺激がないこともDIYにおいては最も大切なことですのでどちらもとりあえず◎ 個人的にトラネキサム酸 医薬部外品最高濃度2%も配合されているAに期待しています。数ヶ月後にまた何かありましたら追記したいと思います。

使用感:Bがベスト

テクスチャーなどの使用感は好みにもよりますが、個人的にはさっぱり系が好みなのでB>A>Cです。AとCもベタつきというほどではありませんが、アルコール配合のBが一番さっぱりしています。ただ、Bはメンズって感じの香りなので好みが分かれるかもしれません笑 AとCは保湿成分たっぷりなのでさっぱりと謳っていても多少はしっとり感がある感じです。夏以外の季節なら多分◎

総合的に

どちらも好感触で刺激ゼロ(これ大事)。ターンオーバは約6週間かかるので、しばらく使わないと効果が良くわからない、といったところです。

DIY(2) ナイアシンアミド配合美容液

今度はDIY民らしくナイアシンアミドセラムをDIYすることにしました。

コンセプトはとにかくシンプル&高機能!

作り方

材料は、精製水、ナイアシンアミド、BG、DMAE、グリチルリチン酸ジカリウム の5つです。50ml @ 冷蔵保存(2週間使用)なので防腐剤なしにしました。また、保湿剤はグリセリンの代わりにべたつきと刺激の少ないBGにしました。

※BGは刺激性が低く保湿剤としての他に防腐補助剤としての機能もあります。濃度7-10%程度でグラム陰性菌に対して特異的に抗菌活性を示すことが報告されています。防腐剤入りの場合は1,2−ヘキサンサンジオール 1.5%程度を添加すると常温保存で約1ヶ月持ちます(レシピによって異なります)。

ちなみにDMAEはハリたるみ、グリチルリチン酸ジカリウムは抗炎症にアプローチする成分です。DMAEの詳しい説明はこちらをご参考にしてください。理論通りならこのレシピで抗炎症、抗シワ、美白、ハリ、たるみ、小顔など全方位アプローチができるはずです!

さて、DMAEとグリチルリチン酸ジカリウムはどちらもナイアシンアミドと組み合わせOKなのでさっそくDIYスタート!

GR8COSME NA10%++ Essence Lotion 50ml 

と名付けてみました笑

以下が材料一覧と配合量です:※全てグラム(g)で計測

フリー:グリセリン*エタノール*防腐剤*着色料*香料

材料費は265円!です。

各材料の購入先: 精製水 ナイアシンアミド 1.3-ブチレングリコール DMAE グリチルリチン酸2K

所要時間:約5分

作り方:

  1. 精製水をビーカーや(あれば遮光性の)洗浄乾燥済容器に入れます(ベース)
  2. 全ての粉物を測り、1.に入れてかき混ぜます(よく振ります)
  3. 溶け残りがないことを確認し、BGを1.に入れて軽く振ります(かき混ぜます)

今回はシャバシャバのエッセンスローションを作りたかったのでBGの配合量は5%にしました。狙い通りのさっぱりしたテクスチャーになりました。スプレーボトルに入れて使っています。

効果等はまたはっきりしませんが、今のところ刺激なく使えています。

✨次回はクリームのレシピをアップしたいと思います。

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参考文献

1)ナイアシンアミドの基本情報・配合目的・安全性. 化粧品成分オンライン. https://cosmetic-ingredients.org/skin-barrier-repairing-agents/1710/

2)厚生労働省.2008. いわゆる薬用化粧品中の有効成分リストについて. 別添2. https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/yakuyou_kounou_1.pdf

3)厚生労働省. 2017. 薬事・食品衛生審議会 化粧品・医薬部外品部会 議事録. https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000168007.html