DMAE とは

DMAE(ジメチルアミノエタノール、別名ジメチルエタノールアミン、(Dimethylethanolamine), N,N‐ジメチル‐2‐ヒドロキシエチルアミン、(N,N-Dimethyl-2-hydroxyethylamine)はアミンの一種です。

自然界ではイワシ、サモンやアンチョビ等の魚類に多く含まれています。

DMAEの期待される効果は主に、

  • 抗炎症作用
  • 皮膚引き締め
  • 認知機能改善
  • メンタルヘルスの改善

などがあげられます。

DMAEが配合されている化粧品やサプリは数多くありませんが、市販されています。調べた限りでは、海外製が多く、日本メーカーのものはまだ少ないようです。

化粧品やサプリに入っているのは酒石酸ジメチルアミノエタノール(DMAE bitartrate)

DMAE(2-ジメチルアミノエタノール、分子量89.14)は液体(劇物)ですが、化粧品に配合されているものやサプリに入っているものは、DMAE塩、酒石酸ジメチルアミノエタノール(2-DIMETHYLAMINOETHANOL HYDROGEN L-(+)-TARTRATE, DMAE bitartrate、分子量239.22)の方で、白色〜ごくうすい黄色の粉末(@常温)です。

酒石酸ジメチルアミノエタノール(DMAE bitartrate)は、DMAEに変換されます。

例えばサプリに配合されている351mgのDMAE bitartrateは、130mg(351mg の37%)のDMAEに変換されます。

酒石酸ジメチルアミノエタノール粉末

DMAEと筋肉収縮作用

まず、DMAEは、神経伝達物質(=シナプスで情報伝達を介在する物質)であるアセチルコリン(Acetylcholine)の前駆体(precursor)です。

アセチルコリン(Acetylcholine, ACh)は、副交感神経や運動神経の末端から放出され、神経刺激を伝える(筋肉の収縮作用する)神経伝達物質です。

そして、以下のイメージ図のように、DMAEはアセチルコリンを増やすことにより筋肉の収縮作用を手助けします。

次に、アセチルコリンの筋肉収縮作用の仕組みについて説明します。

アセチルコリンは脳からの指令を伝達

以下の図のように、脳や脊髄から、「筋肉を収縮させろ!」という指令が出ると、神経終末のシナプス小胞に蓄えられているアセチルコリンが放出されます。アセチルコリンが放出されると、筋細胞膜にあるアセチルコリン受容体に結合し、筋肉に神経からの刺激が伝わります。

脳から指令 -> 神経終末へ

このように筋肉の収縮作用において神経伝達物質であるアセチルコリンが重要なのは、脳からの指令を筋肉に伝える重要な役割を担っているからです。

そのため、アセチルコリンが減少するとその伝達がうまくいかなくなり、筋肉の収縮作用が弱くなります。

また、アセチルコリンは健康な脳と神経系に必要不可欠な成分なので、不足すると認知機能の低下等が考えられます。

では、アセチルコリンは具体的にどのようにつくられるかについて説明します。

アセチルコリンの合成と分解

⓵アセチルコリンの合成

以下の図のように、アセチルコリン(Ach)は、コリンアセチルトランスフェラーゼ(ChAT)によって、コリンとアセチルCoA(=アセチル補酵素(コエンザイムA)から作られるのですが、

そのコリンを作るために、DMAEが必要です。

引用:Wikipedia

DMAE -> コリン –> アセチルコリン

DMAEは肝臓でコリンに変換されますが、脳内ではDMAEのメチル化によってコリンが合成されていると考えられています。合成されたコリンと、アセチルCoAが最終的にアセチルコリンになります

ただし、DMAEがコリンとアセチルコリンに与える影響はとても複雑で、まだ完全には解明されていません。 DMAEは血中のコリン濃度を上昇させることはわかっていますが、DMAE自身が同じ神経伝達物質としてコリンと競合するため、脳内ではアセチルコリンを増やしていないのではという研究結果(1978年)もあり、メカニズムの完全解明が期待されます。

⓶アセチルコリンの分解

合成されたアセチルコリンは、小胞アセチルコリントランスポーターを介してシナプス小胞に蓄えられます。また、生体内で放出されたアセチルコリンは、アセチルコリンエステラーゼ(AChE)によって酢酸とコリンに加水分解されます。

DMAE

このように体内でアセチルコリンの生合成が分解が行われていますが、アセチルコリンの生産量は加齢によって減少していきます。

アセチルコリンの生産量減 ->老化肌加速

DMAEを補給して肌の老化を遅らせる

若い時に活発に作られていた、筋肉の収縮作用するアセチルコリンの生産量は加齢によって減少し、その結果筋肉の収縮作用が弱くなり、たるみ、シワ、ハリの低下などが起こり老化肌が加速されます。

そこで、DMAEの量を補給すれば、年々減っていくアセチルコリンの生産量も増えるのでたるみ、シワ、ハリの低下の改善につながると考えられます。

ちなみに、DMAEは自然界ではイワシやアンチョビ等の魚類に多く含まれています。魚が苦手という方はサプリからも摂ることができます。

また、DMAEは美容効果だけではなく、認知機能維持としても効果が期待できます。

DMAE はアンチエイジングの救世主!?

DMAEはシワ・ハリ・たるみなどの改善が期待できるアンチエイジングの成分です。

これについて、いくつかの研究報告を紹介したいと思います。

Embed from Getty Images
  • AAD(米国皮膚科学会)の2002年 年次総会で発表された、ジョンソン・エンド・ジョンソンが資金提供した研究発表では、1週間のDMAEを使用した36~59歳の33人の被験者が、目の周りの75~90%の改善、リフトアップ効果や輪郭の改善を報告。改善率の評価はbefore-afterの写真を専門家によって評価。また、DMAEの安全性と有効性については、35~60歳の156人の被験者が18週間DMAEを使用し、16週間の時点で顔全体の改善と額のシワの減少を確認。被験者はDMAEを12か月間使用し続け、その時点で累積評価によりDMAEの局所成分としての安全性が確認された。また、動物実験では、DMAEは皮膚に対して無毒で非アレルギー性であることがわかった。(https://www.newhope.com/beauty/ingredients-skin-care-new-layer-anti-ageing)
  • Johnson & Johnsonが発表した論文(2005年)によると、ランダム化臨床試験では、3%DMAEジェルを16週間塗布し続けたところ、額や眼窩周囲の細かいシワ、唇の形、首のたるみなどの改善が認められ、2週間の使用中止でもその効果は持続したことを確認また、被験者はDMAEを12か月間使用し続け、DMAEの安全性が確認されました。(Rachel Grossman, “The Role of Dimethylaminoethanol in Cosmetic Dermatology”, American Journal of Clinical Dermatology volume 6, pages39–47(2005))
  • また、ベルギーの大学とJohnson & Johnsonの共同研究(2002年発表)の論文では、半顔で比較した30人の女性(36~49才、BMI 19.3-22.9)での試験では、DMAEジェル塗布後45分で肌のハリを皮膚引張強度の定量的測定機器(RRTM)によって確認。(Isabelle Uhoda, Najat Faska, Caroline Robert, Geert Cauwenbergh, Gerald E. Pierard (2002-8). “Split face study on the cutaneous tensile effect of 2-dimethylaminoethanol (deanol) gel”. Skin research and technology 8 (3): 164–167),
※イメージ画像です。

もう一つ有名な実験では、

DMAEクリーム塗布後30分で肌のたるみ改善確認

Dr. Nicholas Perricone

ミシガン州立大学医学部准教授、皮膚科医、米国栄養学会(FACN)役員、アンチエイジングの研究者、エイジングケアを目的としたスキンケア、サプリメントブランドPerriconeMD(ペリコンMD)の開発者(wikipedia)。

以下がその実験の詳細。


“DMAE “の効果は、2001年にヴォーグ誌で、全米ナンバーワンの皮膚科医と称された元イエール大学の臨床副教授のニコラス・ぺリコーン博士の実験によって立証されています。
その実験内容とは、17人の人の顔半分にDMAEクリームを塗り、30分後に顔半分ずつを比較。
塗った部分は全員のスキントーンが明るくなり、肌のたるみが改善、塗布するだけで引き締め効果が得られ、またその効果が24時間持続したことが確認されました。その後2-3週間の使用で、顔が引き締まりフェイスラインがシャープになった、顔の年齢線が目立ちにくくなった、ハリが出たなどの効果が確認されています。

出典:https://www.mmoon.net/fs/mmoon/0305-010


DMAEのリスク・副作用

ここまで読まれた方は、おそらくこの部分が一番気になるところではないでしょうか。特にコスメを自作される方にとっては、使用する原材料の安全性が最も重要な情報だと思います。

調べた限りでは、実はDMAEの効果やリスクに関してざまざまな研究結果がありますが、専門家の間でも見解が分かれています。特に認知機能改善効果に関して。

ここではスキンケアの配合成分としてのDMAEのリスクをメインに紹介します。

それでは、ニュートラルな視点で◎❌をみていきましょう。(かっこの数字は文献のリンクです。)


◎の見解

  • DMAEは、健康な人に適切な量で使用すれば、経口および局所塗布のリスクは小さい。(1, 2, 3)
  • DMAEを使用したジェルやクリームの皮膚への塗布は、臨床研究で刺激やその他の副作用はなかった。(4, 5)

❌の見解

  • 【動物実験】3%DMAEジェルはウサギの耳の皮膚の腫れを引き起こし、細胞損傷を示唆。※ヒトの結果ではない。(6)
  • DMAE濃度が高い(最大10%)と、ヒトの皮膚細胞の成長が抑制され、細胞の寿命が短くなった。(6, 7)
  • 妊娠中の女性は先天性欠損症を引き起こす可能性あり。(8, 9)
  • 【経口投与】感受性の高い人のDMAEの高用量は不眠症、筋肉のけいれん、けいれんを引き起こす可能性あり(10)。

❌の見解を見ると、「高濃度」「高用量」の場合の結果が多いですね。

DMAEに限った話ではありませんが、「適切な量」というのが非常に重要なポイントだと考えています。例えば無害の水も、大量に摂取すれば血液中のナトリウム濃度が低下し、水中毒になります。

「適切な量」の定義については個人差があるので解釈が難しいですが、「リスクと効果のバランス」だと考えています。

まとめ(個人的な見解です)

以上の調査結果を踏まえた上で、また、市販のDMAE含有化粧品の副作用の報告などもないことから、私個人の見解としては、DMAEは、妊娠中や授乳中の女性を除く健康な人で、適切な量で使用すれば、局所塗布に関してはリスクは小さいと考えています。また、経口(サプリ)に関しては、「様子見」というスタンスです。

ちなみに、市販のDMAEサプリ(アメリカ)は医療用としてFDAからの承認を得ていません。

DMAEクリームを自作してみた結果

DMAEがどんなものかを知るためにDMAEクリームを自作してみました。

配合量は、原材料メーカー推奨の0.8wt%にしました。

DMAE配合クリームは高いものが多いのですが、DMAEパウダーが660円/10gと意外とお安い(笑)所要時間15程度、材料費350円で50gのDMAE(0.8%)クリームができました。

レシピと作り方はこちら

DMAEパウダーの購入先はこちら

できたのが↓のジェルクリームです。秋に作ったので少しライトなテクスチャーにしてみました。みずみずしくて使い心地よかったです。

そして↑のDMAEクリームを約1ヶ月間使用した私個人の感想は以下の通りです。


  • 塗布した直後にピンと張った肌のハリ感、肌の引き締め感をすぐに実感。
  • シワへの変化は、多少は薄くなったかな?程度。
  • 即効性あり、持続性は半日程度。ある程度継続して使用すれば論文のように、「2週間の使用中止でもその効果は持続」を実感できるかも?
  • DMAEの配合濃度が高いほど効果が高かった。(0.8~2wt%で作りましたが効果は2% > 0.8%)

クリームの方で手応えを感じたので、DMAE化粧水(日本酒1/2+精製水1/2にDMAE0.8%とグリセリン3%)も作ってみました。現在約3週間使用しています。クリーム同様、引き締め効果を実感しています。

今のところ、肌荒れなどのトラブルはありませんので、このまましばらく使って効果を検証したいと思います。

以上がDMAEの紹介でした。貴重な時間を割き、最後までお読み下さいましてありがとうございました。